「聖セバスチャンの殉教」　三島由紀夫訳　初版本・１９６６年・美術出版社・函

「『聖セバスチャンの殉教』は、イタリア人作家ガブリエーレ・ダヌンツィオとの合作によってクロード・ドビュッシーが作曲した劇音楽。「5幕の神秘劇」と銘打たれている。

セバスチャンは、中世から非常に信仰を集めた聖人で、19世紀の世紀末ぐらいには同性愛の守護聖人になります。
その後、世紀末のフランスでは、シャバンヌ、モロー、ルドンら象徴主義の画家たちが、殉教者と言うより愛と美に殉ずる蒼ざめた青年としての、頽廃的なセバスチャンを描きます。ダヌンツィオ（1863年3月12日 - 1938年3月1日）が書いた五幕劇も、この流れに属します。音楽をドビュッシー、衣装と装置をレオン・バクストが手がけたこの舞台は、女性人気バレリーナのイダ・ルビンシュタインが演じ、倒錯的な美とエロスの世界を展開しました。
三島由紀夫は、聖セバスチャンが描かれた絵画を愛していました。『仮面の告白』の主人公は、グイド・レーニ画のセバスチャン殉教図を見て性的興奮を催します。また、三島自身も聖セバスチャンに扮した写真（撮影：篠山紀信）を残していることは有名です。（ファーイースタン・オールドブックス）


美術出版社・１９６６年９月初版発行のガブリエレ・ダンヌンツィオ「聖セバスチャンの殉教」三島由紀夫, 池田弘太郎訳・函付きです。経年のヤケも少なく、シミや書き込み、蔵書印などもありません。
５８年前の古書であることをご理解の上、購入の検討をお願いいたします。

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